NEOS誕生 その通路の壁には、幾つかのドアが立ち並び、そのドアに張られた青い札が中の部屋を英表記で知らせていた。 隆二は一つのドアの前で立ち止まった。 それは「Medical Room(医務室)」と書かれていたドアだ。 隆二はそのドアを開け、中へと入っていった。 見慣れない医療器具と言うか、医療装置が配された部屋を抜け、白いカーテンが仕切る、奥の部屋へと向かった。 そして、そのカーテンを開けた時、隆二の目に映ったのは、医療ベットに横たわる斗槻の姿だった。 隆二は終に斗槻の遺体を見つけた。 だが、隆二は喜びはせず、驚愕した。 なぜなら、その斗槻の肌は明らかにハリがあり、生気を感じさせていたからだ。 だが、メイクや特殊な保存法ではない。 隆二は斗槻に触れてそれを実感した。 明らかに体温があり、呼吸をしている。 そう、斗槻は蘇ていた。 驚愕を抑え、滝村は斗槻を起そうとするが、その背後に異形の影が走り、滝村は蜘蛛のような人間型の何かに襲われた。 天井に張り付いたその蜘蛛男は、口からビニールロープのような半透明の糸の塊で、滝村の首を引っ掛け、そのまま首を締めた。 滝村はじたばたともがくも、見た目以上にその糸は硬く切れない。 滝村は胸元の銃を取り出す余裕も無くし、その意識がもう少しで途絶えようとし始めていた。 しかし、突如起きあがった斗槻がほぼ無意識状態で滝村を助けた。 その硬い糸の塊を素手で引きちぎり、降りてきた蜘蛛男を跳ね飛ばしてその場から逃げ果せた。 だが、その時見せた斗槻に身体能力は、明らかに人間のそれを大きく上回っていた。 路上で倒れた「その斗槻」を、滝村はマンションの自室へかくまうが、しつこくも「あの蜘蛛男」が侵入し、滝村達を襲う。 その時、反撃に出た斗槻の姿が、突如光に包まれ、まるでバッタの様な、緑色の昆虫人間へと変化した。 その姿を見、蜘蛛男が人間の声で「目覚めたのか!?NEOSリジェネレータ!!」と、驚愕の叫び声を上げた。 |