第一章
<序>
聖叡歴3292年、騎士デュラム・ガウス・グランロードは亡き母国の王子を生き逃すため、戦線から逃げた。
騎士の誇りを勅命に変え、戦線から逃げるが、まだ乳飲み子それも人間の王子には、この長い旅には絶えられず、目的地である惑星ヨ−ギに辿り着けず死んでしまう。
絶望の中でヨーギを彷徨うデュラムの目前に、一つの流星が落ちる。
その中には、一人の赤子がいた。
決して諦めず生を訴え泣き叫ぶその子を抱き上げ、デュラムはその子と生きようと思った。
<第一節>
TELA聖王国の全星域征服から17年後の星叡歴3309年。
惑星ガイア、カグツチ島にて、戦後初めての騎士ランクを決める「騎士剣技御膳試合」が行なわれた。
それに参加した若き青年騎士ミツキ・グランロードは、大会受付で、幼なじみのユウコ・エターナグラウンと5年ぶりに再会する。
若輩騎士のうえ初参加でAランクに参加した二人をあざ笑う他参加者達。
しかし、二人は圧倒的な剣技と能力で破っていく。
そして大会も中盤、黒い影を纏うように現れた男が、大会参加者1人を模造刀で殺し、大会はパニックに陥る。
彼を止めようとした警備員(騎士)数名を一瞬のうちにたおし、二人を殺した。
それに怖気付いた他参加者や客は逃げ出してしまうのだが、ミツキとユウコは剣を持ち男に立ち向かう。
だが・・・・・。
<第二節>
騎士剣技御膳試合からさかのぼる事1年前。
ミツキは、デュラムから最後の試練を受け悩んでいた。
その試練とは、父と勝負する事、真剣で。
つまり、父殺し。
そして、互いに剣を持ち、全てが決する瞬間、デュラムはかつて失った家族と己が人生を思い出していた。
第二章
<序>
TELAの聖王フィルド・ドラグ・ジ・ノートス・シックスは実子ヴィラー・テェリオン・ザ・ノートス・セブンへ王位を譲り、聖騎士団と共に銀河の中心へと旅立った。
時に聖叡歴3312年、今だ混沌が残る時代であった。
<第一節>
対騎士の賞金稼ぎ(ナイトハンター)。
大戦以前は下位騎士がやる、侮蔑の職であった。
しかし大戦後、世情が安定しない時代では、銘の無い若き騎士にとって、唯一の生きる手段であった。
それはいかな実力があろうと変わりはせず、ミツキとユウコもその例にはもれなかった。
だが、聖叡歴3310年、時代は移り変わり始めていた。
ミツキとユウコの前に現れた青年騎士は言った、「新たなる時代、新たなる秩序を代弁する、我が騎士団でその力を使え」と。
それは、戦天使騎士団。
<第二節>
戦天使騎士団への誘いを断ったユウコとミツキは、今度は逆に賞金稼ぎから追われる立場となってしまった。
逃避の最中、出会った男ヴォード・デオニアス。
彼は、反TELA派勢力の幹部であり、ユウコとミツキの噂を聞き、彼らを誘う為に近づいたのだ。
ユウコとミツキはその誘いにのり、ガイアを脱出し、TELAの支配がゆるい惑星アトランティスの、月の大陸へと向かう。